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ゲーム・オブ・スローンズ S8(最終章) 第4話感想~ドラカリスとは…?

ゲーム・オブ・スローンズ S8最終章、残すところあと2話まできました。

最後のスターク家

最後のスターク家

 

以下、第4話のネタバレあり感想です。

酒池肉林

夜の王との戦いが終わり、ウィンターフェルでは戦死した人々の弔いが行われていました。ジョラー・モーモントにはデナーリスが、シオンにはサンサが涙ながらに別れを告げました。サンサがシオンにスターク家の旗印であるダイアウルフのピンを付けてあげたのが泣ける。シオン、立派な最期でした。

弔いのあとは、皆でお酒を飲みながら勝利を分かち合ってましたね。ナイトキングを討った英雄、アリアに乾杯! とみんな笑顔です。

当のアリアが部屋にいないので探しに行こうとするジェンドリー。それをデナーリスが呼び止め、「ジェンドリー・バラシオン公」の身分と、ストームズエンドを与えました。大出世! 喜んだ勢いのまま、外にいたアリアに「ストームエンドの公女になってくれ」とプロポーズ。わーお、ジェンドリー、完全にお花畑状態っすね。アリアの答えはやはり「私はレディじゃない。今までもずっと」というもの。だよね。小さい頃からそうだったもんて。知ってる…。しかしここまでブレないのもすごい。

宴会場ではハウンドとサンサの会話という、かなりレアな組み合わせも見れましたね。サンサが王都で実質捕虜となっていた時代に、ハウンドがひそかに手助けしてくれたことがありましたよね。

「あの頃は俺の目も見れない小さな小鳥だったのに」

と、いささか老いつつあるハウンド。それをまっすぐ見据えて手まで重ねちゃうサンサかっこいい。最近はすっかりアリアとサンサ姉妹のファンになりつつあります。スターク家、推せる。

フリーフォークスのトアマンドはブライエニーに失恋しちゃってましたねー。まぁでもブライエニーはずっとジェイミーに矢印なんだから仕方ないですね。

デナーリスの焦り

北部の民に囲まれて笑顔のジョン・スノウ、それを見つめるデナーリスの表情はいつになく暗いです。

ジョンがスターク家とターガリエン家の正式な息子という事実。自分は鉄の玉座に座るべき女王としてひたすらここまできたのに、ジョンが最大の障害になるとは。ジョンを愛してしまっていることもダブルでショックのようです。

もし、ジョンが鉄の玉座に座り、七大国の王となったとしたら。「北の王」でもあるジョンを、北部の民も喜んで受け入れ、すべては丸く収まってしまう。デナーリスはそれを危惧し、ジョンに

「誰にも出生の秘密を明かさないで。特にサンサとアリアには言わないで」と懇願。

デナーリスも自分で言ってましたが、今のカリーシが誰かに懇願するなんてかなり珍しいことですよね。そんなに必死とは…。『狂王』と呼ばれた父のエイゴン、そして玉座を取り戻すことに執心していた兄と重なるものがありますね。

でも、言っちゃうんですけどね。ジョンさん。サンサとアリアに。さすが正直なことしか言えない男である。

「言う前に誰にも漏らさないと誓ってくれ」ったって、誓いは破られるためにあるようで。サンサからティリオンへ、ティリオンからヴァリスへとどんどん伝わってましたな! ヴァリスなんて「8人も知ってたらもはや秘密じゃなくて情報だよね」と呆れてたし。同感です。

王都近くで先制パンチ

そんなこんなで焦ってるデナーリス。「夜の王との戦いでひどく消耗したからまだ休ませるべき」とサンサが止めるのも振り切って、軍を引き連れ王都へ駒を進めます。

ジョンとダヴォスは陸路で、汚れなき軍団はブラックウォーター湾から海路で。その上をデナーリスがドラゴンに乗って向かうことに。

海上で、久しぶりの南部の空気にドラゴン二頭もうれしそう…と目を細めるデナーリス。敵地にしてはやけに平穏で、のどかな光景だなぁ。…と油断したところ、ドラゴン用戦闘弓『スコーピオン』に射ぬかれるクリーム色のドラゴン、レイガル。次々と矢があたり、レイガルは海に沈んでしまいます。えええ、ドラゴンついに残り1頭になってしまった。

撃ってきたのはユーロン。グレイジョイ家の血筋は弓が得意なのか? シオンも弓術に長けていましたよね。

さらに、ミッサンディまでサーセイに捕まってしまいました…。まじかぁぁ。

サーセイの戦略

サーセイの戦略はこうです。

城門を解放し、キングスランディングの民を城のなかに入れる。

「侵略者が攻めてきたから安全のために城のなかに入るべし」と、一見すると女王の温情を感じさせる行動。ですが実情は「王都に攻め入るなら罪のない人々の命も奪うことになるぞ」とデナーリスにプレッシャーをかけ、有事の際には人民の命を盾にする気満々ですよね。

ニヤついたサーセイの顔が最悪で、役者の演技としては最高です。これだけ憎たらしい表情を演じられるのがマジですごい。

本当にね、あのキリがない夜の王とのひどい戦争に1ミリも参加しないで、涼しい顔で相手が一番やられたくないことを平然と、むしろニヤニヤしながらやってのけるんだもの。サーセイマジで大嫌い。アリアはよ!という気持ちです。アリアならやってくれる。アリアを信じますよ、私は…。

ミッサンディの遺言

城壁にて対峙するデナーリス軍と、サーセイ軍。交換条件は互いに「無条件降伏」ですが、サーセイもデナーリスもそんなことするわけない。それができてたら二人ともいまここにいないよね。

サーセイがミッサンディに「最期の言葉は?」と聞きます。

ミッサンディはひと言、「ドラカリス」と。

ドラカリスって、デナーリスがドラゴンに炎を吹かせるときに言ってる言葉ですよね。私てっきり、ドラゴンの名前かと思ってたんですが違うみたいです。「焼き尽くせ」的な意味の言葉なんでしょうか。

ミッサンディとしては「なんとしてもサーセイに勝ってください」みたいなことだったのかな。負けないで的な?

ミッサンディは殺され、交渉は最悪な形で決裂。振り返ったデナーリスの顔がね、もう。「サーセイめ」どころじゃない、「クソムシが」ぐらい物凄い苦虫を噛み潰した表情ですごかった…。

もうこれはドラカリス待ったなしでしょう…。カリーシの衝動を止められるのはジョン・スノウだけ!でも陸路だと二週間かかるってさ! こないだまで人物みな高速移動してたのに。肝心なときに(だからこそ?)世界観に忠実な設定なんですよ。

ナローシーの向こうではあくまで人民に寄り添って、その人望でここまできたデナーリス。ここはなんとかこらえてほしいところですが…。罪のない民を犠牲にするのだけはどうにか考え直してくれないかな。