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ゲーム・オブ・スローンズ シーズン8…最終章最終話「鉄の玉座」ネタバレ感想~権力の輪がない世界

終わった…。

シーズン8 エピソード6 最終回を見終えてしまいました。

以下ネタバレありますのでご注意ください。

鉄の玉座

鉄の玉座

 

権力の輪を破壊する

デナーリスが虐殺の限りを尽くした王都。ティリオンは地下に行き、瓦礫に埋もれたサーセイとジェイミーのなきがらを発見。寄り添うようにして亡くなっている二人の顔は安らかでした。泣き崩れるティリオン。

アンサリードとドスラキ軍を前に勝利宣言するデナーリスに、「女王の手」の胸章を叩きつけるティリオン。すぐさま、ジェイミーを逃がした反逆罪として捕らえられてしまいました。

もうね、デナーリスがかつてのサーセイばりに狂女王になっちゃってて辛い。

市民を虐殺し、王都を崩壊したことについても「私は正しいことをした」の一点張り。さらにウェスタロスやドーン、他の領地すべてを『権力の輪』から『解放』する! と狂信めいたことになっちゃって。それに『権力の輪』を破壊したとしても、権力者がいたところに圧倒的権力を持つデナーリスがおさまるんですよね。エンドレス権力の輪ですよね…? 今のデナーリスには慈悲の心も見えないし、民にとっては権力が差し換えられたところで大差ないどころか、無駄死にするだけのような気が。

ジョンの選択

捕らえられたティリオンは、ジョン・スノウに最後の望みを託します。

ジョンが自己暗示のように繰り返す「彼女が我が女王だ」もだいぶ威勢が弱まってきた感じ。デナーリスが今回したことは一方的な虐殺であり、この先も北部や他の領地に侵攻し続けるでしょう。誰かが止めねば。ジョンしかいない。彼女にとってもジョンの存在は邪魔になってくるでしょう。もはや、やるかやられるか。

鉄の玉座を前に、ジョンに微笑みかけるデナーリス。一緒に、新しく、より良い世界をつくりましょう。私たちだけが良い世界を知っている。

ジョン・スノウが「愛してる、我が女王」と言ったときは、アチャーマタカヨーと落胆しかけましたよ。でも、やりました。あのバカがつくほど正直すぎるジョン・スノウさんが、デナーリスの胸を刺してしまいましたよ!

そうだね。口でいくら言っても聞かないから…。最愛の人だからこその選択かもしれないね。ナイツウォッチの総帥だったときも、ジョンは自らの剣で判決を下し手を汚してきたんでしたね。

息絶えたデナーリスを抱えて嗚咽するジョン。

消えたドロゴン

デナーリスの最後のドラゴンでもあるドロゴンが、胸にナイフを刺されて息絶えた母デナーリスを見て激しく咆哮。

灼熱の炎で融けていく鉄の玉座。ちょ、ジョン大丈夫かな? と思いましたが意外と炎ではなんともなかったみたいですね。さすがターガリエンの息子だけある。

ドロゴンはデナーリスのなきがらを後ろ足で掴み、飛び去っていきました。

これは…もしも続きがつくられるとしたら黒デナーリスになっちゃうやつですかね。ジョンも一度は光の王の力(メリサンドル)によって生き返ってるし。

新王の誕生

ティリオンもジョン・スノウもグレイワームによって捕らえられたままですが、王都に七大国の領主たちが集結。

スターク家からはサンサ、アリア、ブラン、それからサムもいましたね。

新しい王にふさわしいのは誰か? となり、ティリオンが演説。

王にふさわしいものは、物語を持つもの。スターク家のブラン・ザ・ブロークン。彼は幼少期に転落事故で足が不自由になったが、狼潜りを身に付け壁の向こうへ行き生還した。今は三つ目の鴉となりすべての出来事をありのまま見通すことができる。人類の記憶。彼が王となれば、今までのような継承制度は廃し次の王はまた領主たちが話し合って決める。

ハイ決定。ブランこそふさわしいですね!ちょっと人間味には欠けるけど、だからこそ私情を挟まずに王として公平な判断が下せる!

ただ、ブラン・ザ・ブロークン(不自由なブラン)って「壊れかけのradio」みたいなネーミングはかなり独特ですけど。

サンサは北部をこれまでどおり自由国とし、ブランも了承し、満場一致で六大国の新王が誕生です。

ジョンは再び北へ

ブランは早速、ティリオンを王の手に任命。ジョン・スノウについては、処刑したいグレイワームと処刑したくないスターク家双方の落としどころとして、ナイツウォッチ送りに決定。

ナイツウォッチといっても、ジョンもサムも恋人つくってよろしくやってたイメージなので規律ガバガバなのでは、と最早「厳しいところ」のイメージは昔ほどないかも。寒さは厳しいでしょうけど。そういえばナイトキングに壊されたって、あれからどうしたんでしょう。修復するの大変そうですよね。壁、そもそもどうやって作ったんだろうと気が遠くなりますよね。

スターク家の兄妹に別れを告げるジョン。アリアは「もう会えない」と涙。アリアはなんと西のほうへ行くそうです。どの地図を見ても空白の西。そこになにがあるのか確かめに行きたいと。アリアの冒険、ぜひ見たいですねー。

壁についたジョンを待っていたのは、トアマンド! あとダイアウルフのゴースト! ジョンはやっぱりナイツウォッチの装備が一番似合う気がする。ふかふかの毛皮と黒いマント、かっこいいですよね。

トアマンドたち自由民と一緒に壁を越えていくジョン・スノウ(どこへ?)。

船出をするアリア。

北の女王となったサンサ。

そして、立派に王の仕事をこなすブラン。

スターク家に始まり、スターク家に終わったゲーム・オブ・スローンズでした。

 

他には、王となったブランの周りには、馴染みのメンバーが集って会議していたのが良かったですね。ちゃっかりブロンの姿もあったし。大臣の身分になったみたいで本当にちゃっかりブロンです。ブライエニーは伝記本のジェイミーの箇所にめっちゃ追記してて泣けました。

最終的に鉄の玉座がなくなっちゃうのが一番の驚きでした。鉄の玉座が消滅すれば玉座を狙う人も居なくなって無駄な争いはなくなりますよね。そう考えるとドロゴンが自ら炎を吹いたのはナイスドラカリスだったなとつくづく思います。あれは偶然当たったんじゃなく、愛する母をこんな風にした鉄の玉座なんてなくなってしまえ! といったドロゴンの叫びだったんですかね。

そしてデナーリスの死と鉄の玉座の消滅によって、皮肉にも『権力の輪』がなくなったんですね。デナーリスの願いは、本人の死によって達成されてしまったわけです。

 

というわけでシーズン7と8を集中して見てきました。

通して見ると、ウェスタロスに来てからのデナーリスの描写が少し物足りなかったです。ナローシーのむこうにいたときのデナーリスはすごく応援してたんですが…。

ウェスタロスに来てからは、ティリオンも言ってましたが「悪者から市民を解放する」ような分かりやすい構図がなかったので、デナーリスが狂女王のように見えてしまった部分もありますよね。

もしも、デナーリス以上にマッドな奴が身近に居たとしたら、デナーリスは弱者を守る行動をしたのではないかな。サーセイは変化球だったのでダニーには難しかったのかも。

と、いろいろな"if"を妄想してしまいますね。