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「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン8 第2話ネタバレ感想~回想シーンが一切入らないドラマの醍醐味

「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章(シーズン8)第2話「七王国の騎士」を見ました

七王国の騎士

七王国の騎士

 

 ネタバレあります

シリーンを思い出させる少女

ラストハースでアンバー家を滅ぼした死者の軍団。ウィンターフェルのもうすぐそこまで来ていました。次の夜明けには戦いが始まるだろうと、準備を始めます。

女性や子供たち、戦えないものは地下へ避難する計画です。

サー・ダヴォスも炊き出しに参加して準備をすすめていました。

そこへ来たのは、幼い少女。

「わたしは地下へ行きたくない。戦いたい」と勇敢な少女を見つめるサー・ダヴォス。少女の片方の頬にはやけどのような怪我のあとがあります。

スタニスの娘、シリーンを思い出させる少女の姿。心優しく、勇敢だったシリーン。ダヴォスに根気強く文字を教えてくれたのもシリーンでしたね。

けれども、映像にシリーンの回想が入ることはありません。サー・ダヴォスのモノローグが入ることもありません。

通りがかったジリが「私の息子やほかの子供を、地下で守ってくれたら助かるわ」と少女を納得させてました。ジリもすっかり賢く成長しましたね。その少女を、いつまでも見送るダヴォス。このシーンはかなり泣きそうになってしまいました。シリーン…。

アリアとジェンドリー

ハウンドのところへ、アリアが現れます。静かに横にすわるアリアに「こんなに黙っていることが信じられない」と感想をもらすハウンド。二人で同行していたころは、ハウンドが「いいからお前はちょっと黙れ」と注意していたんでしたね。こちらも回想シーンは一切なく、見た人の記憶によみがえる二人の姿と、現在の二人の姿を見比べる楽しさがあります。

「老いぼれと一緒に死にたくないから」とサッサと退散するアリア。二人のそっけない感じがぶれないですね。ここで下手に「あのときはすまなかったな」なんて流れにならなくてよかった。

アリアはジェンドリーに武器を作ってもらってご満悦。見たところ、短槍…のようなものでしょうか。弓も短剣も使えるし、すごいなアリア。

アリアはジェンドリーを誘惑。決死の戦いの前に、やり残したことといえばこれくらい、と言っていい感じになる二人。アリア…大人になったんだなぁ…。なんだかしみじみしてしまいました。

ブライエニーがついに騎士に

暖炉の部屋で酒を酌み交わすジェイミーとティリオン。

ジェイミーはサーセイに背き、単身でウィンターフェルに来たんでしたね。恨みを持つものが多いなかでブライエニーが「この男は私が保証します」と声をあげ、サンサが許したのでした。

サーセイに背を向けたジェイミーは今や王都奪還の駒としても使えないし、義手のため戦闘もあまり得意ではないし、かといって頭脳も弟のティリオンほどではないし、正直なにかの役に立つのか? との疑問が一番残りますが、イケメン枠として重要! 以上。

暖をとるために部屋にはブライエニーとポドリック、サー・ダヴォス、トアマンドも参加してワインで酒盛り状態。戦い前夜の景気づけみたいなもんでしょうか。

話の流れで、ブライエニーが「サー(騎士)・ブライエニー」ではないことをトアマンドが知ります。「女は騎士にはなれない」というブライエニーに、「騎士には騎士を任命できる資格がある。俺が証明する」とサー・ジェイミー。

一同が見守るなかで儀式が行われ、サー・ジェイミーにより、騎士の称号を与えられたブライエニー。トアマンドもにこにこして拍手してました。トアマンド、いい人。

ブライエニーのあんな笑顔も、初めて見ました。いままでずっと張り詰めたような真剣な表情しかしてこなかった彼女が、太陽みたいに笑うんですよ。よかったね…ブライエニー。

ジョンがデナーリスに告白

出生の秘密を知ってから、ずっとデナーリスにそっけない態度をとり続けたジョン・スノウ。そりゃあ、気まずいですよね。叔母と甥だし…。

地下墓所でリアナ・スタークの像に祈るジョン・スノウにデナーリスが近づきます。

そこで、自分についての出生の秘密を打ち明けるジョン。

ショックを受けるデナーリス。その衝撃は、自分たちが親戚だった(にもかかわらず恋仲になってしまった)ことよりも、ジョンが正式な王位継承者であることのほうが大きいように見えました。

デナーリスはずっと自分が鉄の玉座に就くことを目的としてこれまで生き抜いてきたんですものね。ターガリエン家唯一の生き残りとして。しかしジョンが自分よりも位の高い(兄の息子)王位継承者となれば、デナーリスのアイデンティティそのものが揺らいでしまいますよね。

何回も「嘘でしょ?あなたの弟と親友が言ってるだけでしょ」と言ってましたが、ヴィジョンどころか記録(メイスターの私的な日記)まで残ってますからね…。ま、ジョンの髪の毛の色とか全然似てないけどさ…。

問題はジョン自身には王になる気持ちが全然ないことですかね。それだけに民のためにはいちばん動ける男ですけど。

その他もろもろ

一同がウィンターフェルに集結しているので、いろんな人がいろんな組み合わせで話してるだけで盛りだくさんな回でした。そういえば今回は王都(サーセイ)のシーンはなかったですね。

ジェイミーはブランに、塔から突き落としたことを謝罪してましたね。あのじんめんじゅのところで。神々の森というらしいです。

でも今のブランは、もうブランの人格はなく、三つ目の鴉ですからね…。むしろ、あのとき突き落とされなければこうして三つ目の鴉となることもなかった、と淡々と受け答えをするブラン。今のブランには、かかわりのあった誰かが何を言っても暖簾に腕押し状態ですね。

グレイ・ワームはミッサンディに「この戦がおわったら二人でナースへ戻ろう」と約束してました。いやこれもう完全にフラグですよね…。

それから、腹を割って女同士で語り合うデナーリスとサンサ。お互いの共通の敵がサーセイというのは一致しているし、分かり合える感じか…? と手を取り合いましたが、

「あなたが鉄の玉座についたら北部はどうするつもりなの?」

とサーセイの質問に、重ねた手を戻すデナーリス。北部はあくまで北部。王都に仕える地ではないという伝統。その伝統は、デナーリスでさえも覆せないのではないかと、北部だけの強い結束力を見てデナーリスも気づき始めていました。